詳しく言うと、
①制限酵素などで切断された末端、もしくはニックの入った二本鎖DNA分子
(いずれも5'末端にリン酸基がついていることが条件)
②3'末端にヒドロキシ基(-OH)を持つDNA
これらの①と②をDNAリガーゼを用いて共有結合させることを言います。
上記にはDNAと書きましたがRNAや一本鎖DNAを用いた場合も同様にライゲーションと言います。
DNA同士は本来リン酸を介して結合しているのでリン酸基がないと連結しません。
なので通常はベクターがセルフライゲーション(目的の遺伝子を取り込まずプラスミドがそのまま閉じてしまうこと)しないように脱リン酸化しておきます。
先ほどDNAリガ−ゼを用いて共有結合させると言いましたが、大腸菌のDNAリガ−ゼとT4ファージのDNAリガ−ゼがよく用いられます。
大腸菌のDNAリガ−ゼはライゲーションの際に補酵素としてNADが必要となり、突出末端(sticky end)を持つDNA分子同士の結合しか起こしません。
一方でT4リガーゼはATPが必要となり、突出末端(sticky end)だけでなく平滑末端(blunt end)でも結合を起こすことができます。
これらの他にも
- ギブソンアッセンブリー(GA)
その後、5'エキソヌクレアーゼが5'側から少しずつ末端を削っていきます。
そうすると今までオーバーラップしていた末端が突出末端になるので、アニールさせて
ポリメラーゼで削りすぎた部分を埋めます。最後にDNAリガーゼでニックを埋めます。
- インフュージョン
GAとほぼ一緒です。インフュージョン酵素はとてもゆっくりオーバーラップを末端か
ら削っていきます。ここではゆっくりというのがミソです。アニールできるほど末端が
露出したらすぐさまアニールし酵素の働きは止まります。その後大腸菌内でニックを
大腸菌が埋めてくれます。GAの方が成功率が高いようです。
最後のニックを埋めるのは大腸菌の中で大腸菌が行ってくれるみたいです。オーバー
ラップを末端から削っていく際、インフュージョン酵素はとてもゆっくり
- TAクローニング
PCRを行う際、Taqポリメラーゼを用いると末端にAを付加する(末端転移酵素活性)。な
のでPCR生成物をプラスミドに挿入する際、プラスミド末端にTを付加しておくことに
より(Tベクター) blunt endと比較して効率が高い。
- ゴールデンゲートクローニング(GGC)
一般的に使用されている制限酵素は制限酵素認識部位の真ん中で切断される。つまり
制限酵素サイトの配列が一部残ってしまうことを意味する。この不要な配列を残した
くない場合、IISというタイプの酵素を使用します。この酵素は認識配列の外側で切断
されるため制限酵素認識部位と切断部位がかぶらないので認識配列を残さずクローニ
ングできます。
などがあります。
まだまだたくさんありますが今日はこの辺で。
間違っている点、お気付きの点ありましたらコメント欄からお願いいたします。